第240章

ジェームズは、自分の目にしているものが信じられなかった。

たった今、自分が何の書類を手渡したのかを悟った瞬間、彼は愕然として目を見開いた。次の瞬間には考えるより先に身を乗り出し、私の手から離婚協議書をひったくっていた。

「これは違います! 何かの間違いに決まっています!」

さっきまでの落ち着きは、きれいさっぱり消え失せていた。

「すぐにハーディングさんのところへ持ち帰ります!」

そんなこと、させるつもりはなかった。ヘンリーがこの書類に署名するのを、私はずっと待っていたのだ。今になって手放すわけがない。

私は封筒に手を伸ばした。ほんの短いもみ合いの末、書類は床へとばらまかれた。

真...

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